2014年12月ラオス、ルアンパバーンを訪れました。 大航海時代以来インドシナは西欧列強の植民地支配、それに対する独立運動で 否応なく戦火に巻き込まれていきましたが、ラオスもまた例外ではありません。 ここを支配したフランスと後の権益を引き継いだアメリカ、旧ソ連と中国の支援を受けた 共産勢力とベトコン、そして地元の少数民族が三つ巴の戦いを繰り返し、平和の訪れはベトナム戦争の 終結を待たなければなりませんでした。 その中でルアンパバーンは、1560年王国の首都がビエンチャンに移るまでの207年間 ラーンサーン王国の首都として機能していました。 仏教を庇護した王国のせいか、ここにはたくさんの仏教寺院が存在し、早朝の托鉢はこの地に 仏教が根付いていることを実感させてくれます。
■ワット・シェントーン
ルアンパバーンにはたくさんの仏教寺院が存在しますが、ワット・シェントーンはその中でも 最大の規模を誇ります。 その特徴は幾層にも折り重なった急勾配の屋根で、棟の先端には日本建築の鬼瓦にあたる 青銅色の棟飾りが載っています。 屋根は一見すると桧皮葺のようにも見えますが、薄く小さな焼瓦のようでもあります。 外壁は一面黒漆らしきものに金箔で仏像と想像上の動物が描かれていますが、西面の妻壁には ガラスモザイクで仏教の逸話をもとにした大樹が描かれています。 内部の柱、壁、天井にも全面金箔で模様が描かれていて、西面中央奥に仏像が安置されているところなど 日本の仏教寺院と共通するところもたくさん見られます。 1560年、首都がビエンチャンに遷都された年に建立されたと伝えられています。
■ルアンパバーン