2016年3月花見客で一杯の上野東照宮を訪ねました。 1616年徳川家康が没した後、津藤堂藩が所有していた上野に 東照大権現(家康)を祀る神社が建立され、後に東照宮と 命名されました。 現存する東照宮は、1651年三代将軍家光によって造営された ものです。 石造の大鳥居をくぐって参道を歩くと、正面に唐門が見えてきます。 周囲は凝った彫刻が施された透塀によって囲われ、内部に 拝殿、幣殿、本殿を備えた社殿がシンメトリーに配置されています。
社殿は拝殿と本殿との間を石の間(幣殿)で繋ぐいわゆる権現造と なっています。 日光東照宮も、1617年津藩主藤堂高虎が作事奉行を担当、 徳川家光によって1636年から造営を開始するなど同じような 経緯をたどっています。日光を担当した多くの大工たちが 上野でも力を発揮したと思われます。 日光の眠り猫で有名な左甚五郎は、ここ上野東照宮でも 唐門に昇り龍、降り龍を製作しています。 平成21年から25年に渡って保存修理が実施され、金箔や色漆に 覆われた豪華絢爛な当時の姿が甦りました。