東京駅


■東京駅

2012年11月東京駅丸の内口を出ると、たくさんの人達が 携帯電話をかざして駅の写真を撮っている光景に 出くわしました。67年ぶりに元の姿に戻った東京駅を撮影しようと 大勢の人達が丸の内口に集まってきています
東京駅は辰野金吾の設計で1914年(大正3年)に竣工しましたが、 第二次大戦の終戦間近1945年に米軍の爆撃を受けて 両翼のドームを含む屋根部分が消失してしまいました
その後簡易な形で再建されましたが、よりオリジナルな 姿に近づけるため大規模な修復工事が実施され、本年10月に 完成しました
東京駅は度々高層ビルへの建替え構想が浮上していましたが、 その都度反対運動が起って生き延びてきました
地震国の日本では完全なレンガ造はむづかしい為、コンクリート躯体に レンガ風のタイルを貼る形となって、どうしてもハリボテの 匂いがしてしまうのはいたし方ありません
むしろよくぞ生き残ってくれたと感謝すべきでしょう

■辰野金吾

1854年佐賀県唐津生まれの建築家です
造船の路に進むことを志して1873年工部寮(現東京大学工学部)に入学しますが 後に造家に転向、1879年第1期生として卒業した後 イギリスに留学し、J・コンドルの師であるW・バージェスの 事務所で修業しています
1883年帰国、翌年工部大学校の教授に就任し伊藤忠太や長野宇平治、 武田吾一など優秀な人材を育てています
1898年東京帝国大学工科大学長に就任、また造家学会(現日本建築学会)の 創設にも尽力し、第3代会長に就任しています
1902年に大学を退官した後に、東京と大阪に建築事務所を開設し 多くの作品を残しています
1919年国会議事堂の審査員を務めたあと病に倒れ65歳で死去しています
代表作である東京駅の他に日本銀行本店、日本銀行大阪支店、旧岩手銀行本店本館、 奈良ホテル本館等が現存しています





■東京駅















=MEMO=

写真一段目左は行幸通りから見た全景、中央は再建された 左翼(北)のドーム、右は右翼(南)のドーム
二段目左は中央線ホームから見える右翼(南)のドーム、中央は 右翼(南)ドームの内部、右は大正期のオリジナルな姿で保存されている レンガ壁
三段目左は正面中央にある皇室専用貴賓出入口、中央は丸ビル側から 見た夜景,右はライトアップされた右翼(南)ドーム
四段目は同じくライトアップされたディテールです



‖HOME‖ inserted by FC2 system