閑谷学校


■閑谷学校

2014年3月備前市の山間にある閑谷学校を訪ねました 閑谷(しずたに)学校は1670年に岡山藩が創設した藩校で、 中心となる講堂や聖堂、石塀など全ての施設が整ったのは1701年のことです。
これらの施設群をみていると、岡山藩が注いだ教育にかける並々ならぬ決意に 感動せずにはいられません。
施設の周囲に防火対策のため人工山を築いたり、 施設の漏水対策のため、屋根を二重に葺くなど当時考えられる最高の技術が 注がれていますが、それ以上に感心させられるのが運営方針です。
学校の籍を岡山藩から外し、藩に何かあっても学校が存続し続けるようにして あったそうです。
この時代各藩に学校がつくられ、武士だけでなく農民の子弟でも意欲のある者には 学問の機会が与えられました。
ヨーロッパ列強による植民地支配から唯一日本だけが 逃れることができたのには、この教育の普及が大きかったことは間違いありません。
1701年はボストンでイエール大学が創立された年でもあります。

■講堂・石塀

講堂は梁間桁行共5間の巨大な建物で、屋根は入母屋造り備前焼瓦で葺かれています。 この地に窯を築き、陶工を呼んで作らせた備前瓦は頑丈で、300年以上経過した 現在でもビクともしていません。
一度柿葺きの屋根を作り、その上に漆を塗った野地板を 敷いて備前瓦を葺くという念の入れようで、軒先には陶管が並んでいますが、 これは漏水と通気対策だと考えられます。
鏡のように黒光りしている床板は、ここで学んだ子弟たちが磨き上げたもので、 当時の熱気が伝わってくるようですが、建物全体の凛とした姿からも この施設にかける意気込みが感じられます。
閑谷学校の魅力の一つが、周囲765メートルを囲む石塀の存在です。
高さ1・5メートル前後、奥行き1・2メートル前後の石塀は 切り込みはぎ接方式で非常に美しく積まれていますが、 なにより珍しいのは、上部の蒲鉾型に削られた形状で、 石塀にも係らず柔らかい印象を与え、威圧感より親しみやすさが感じられます。






■閑谷学校






=MEMO=

写真1段目は講堂の全景、写真2段目は講堂の内部と校門
写真3段目は閑谷神社とそれを囲む塀
写真4段目左は文庫と人工の火除山,右は石塀




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