ローマに滞在した一週間、パンテオンの近くに宿をとって、毎日この建物を見て歩きました。
パンテオンはローマ時代に造られた建築物として保存状態がよく、
かつローマに残る最も古い建物の一つです。
ローマは外敵の侵入や帝国の滅亡によって建物の多くが壊されますが、神殿の多くはキリスト教の
興隆により建築材料として再利用するために壊されたようです。
そんな中でパンテオンが元の姿のまま生き残ることができたのは、609年に
「殉教者の聖母マリア教会」として教会建築に変えられてしまったことが、幸いしたようです。
最初の建物は神々(マルス、ウェヌス、カエサル)にささげる神殿として、
紀元前27年から紀元前25年にかけてアグリッパによって造られました。
現在の建物は118年から125年にかけてハドリアヌス帝の時代に
造られたものです。
正方形や円といった幾何学的形式で成立している建物で抜群の安定感と
調和を感じさせてくれます。