パンテオン


パンテオン

ローマに滞在した一週間、パンテオンの近くに宿をとって、毎日この建物を見て歩きました。
パンテオンはローマ時代に造られた建築物として保存状態がよく、 かつローマに残る最も古い建物の一つです。
ローマは外敵の侵入や帝国の滅亡によって建物の多くが壊されますが、神殿の多くはキリスト教の 興隆により建築材料として再利用するために壊されたようです。
そんな中でパンテオンが元の姿のまま生き残ることができたのは、609年に 「殉教者の聖母マリア教会」として教会建築に変えられてしまったことが、幸いしたようです。
最初の建物は神々(マルス、ウェヌス、カエサル)にささげる神殿として、 紀元前27年から紀元前25年にかけてアグリッパによって造られました。
現在の建物は118年から125年にかけてハドリアヌス帝の時代に 造られたものです。
正方形や円といった幾何学的形式で成立している建物で抜群の安定感と 調和を感じさせてくれます。


ファサードは8本の柱、頭部は白大理石で飾られ、 銘文には「ルキウスの息子にして三度執政官を努めしマルクス・アグリッパ建立せり」 と刻まれています。
17世紀、正面左右のペディメントにベルニーニが設計した二つ鐘楼が載りますが、 「ベルニーニのロバの耳」と悪口をささやかれ、1883年に鐘楼は撤去されてしまいます。
内部は厚さ6mの円筒壁の上にコンクリート製のドームが載っており、 その直径及び高さは43.3mで統一されています。
ドームの中央には直径9mの穴が開いていてそこから差し込む光が まるで日時計のように内部を照らしながら移動していきます。
ドームの内側は格子天井のような形式で統一されていて、 下部から上部に五段階にわけて小さくなっています。
ローマ時代、内部の壁龕(へきがん)には神々の像が祭られていましたが、 現在は礼拝堂に変えられていて、ラファエロの墓もここにあります。







■パンテオン










=MEMO=

写真1段目はロトンダ広場に面した正面ファサード
写真2段目は西面及び南東面のファサード
写真3段目は夜景と内部のドーム




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