清水寺


■清水寺

二日前に通り過ぎた台風18号の影響が未だ残る京都、 地下鉄東西線は運休したままで、訪れた南禅寺一帯は 泥の後始末に追われていましたが、影響の少なかった 清水寺の参道は、相変わらず観光客で溢れていました。
土産物屋が連なる五条坂や産寧坂から参道に沿って 配置された仁王門と西門、三重塔、経堂から朝倉堂、 本堂から阿弥陀堂そして奥の院から音羽の滝に続く建築群は 参拝者に高揚感を与えるに十分で、それがこれ程たくさんの 観光客を集める理由の一つになっていると思います。
空間のダイナミズムとはこのようなことを云うのであって、 地形を利用した建築物との一体性は、決してバーチャルでは 味わえない魅力を秘めています。
778年延鎮によって創建され徐々に伽藍が整っていきましたが その後何度も消失、現在の伽藍はその殆んどが1633年 徳川家光の時代に再建されたものです。

■本堂

本堂は本宇と呼ばれる主要部と その外側に舞台や翼廊、裳輿が付いている複雑な建物で、 間口36m奥行き30m棟高18mの巨大な建物ですが、檜皮で葺かれた 寄せ棟造りの屋根が優美な姿をみせています。
なかでも「清水の舞台」と呼ばれる崖の上に張り出した踊り場は、 最大12mの欅の柱が、釘を使わない「縣造り」という工法で組み上がり、 ここからみる京都一帯の大パノラマは一見の価値があります。
縁起によれば780年征夷大将軍坂上田村麻呂が自宅を寄進して 仏殿を建てたとありますが、現在の外陣、内陣そして内々陣の 巨大な列柱の連なりと優美な屋根のライン、そして軒下の蔀戸からは 当時の平安貴族の邸宅の面影を垣間見ることができます。
この建物も1633年に再建されたものです。






■清水寺・本堂




=MEMO=

写真上段左は本堂を正面から遠望したもの、中央は 舞台中央を下から望んだもの、右は奥の院前からの本堂 の眺め
写真下段は本堂の内部、左は内部からの眺め、中央は 列柱が建ち並ぶ本堂内部、右は柱と天井



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