ダウラターバード砦


■ダウラターバード砦

アウランガーバードからエローラに向かう途中にダウラターバードと呼ばれる町があります。
ダウラターバード砦は標高200mの円錐形の丘に造られた、中部デカン地方で最も頑丈な砦の一つです。
砦全体の面積はおよそ95ヘクタールあり、その都市形態はユニークな軍事技術や 灌漑システムを備えていた上に
高度な政治や宗教で統治された要塞都市でした。
戦略上の位置や強固な防御機能によってここは難攻不落の要塞と呼ばれ、 12世紀から17世紀にかけて多くの権力者はこの領地を所有することを望み、 ここを占有することは大いなる誇りと名声、そして権威や傲慢さまで手に入れることが出来たのです。
砦は 階段状の吹き抜け、貯水池、ミナレット、ハマム、様々な宮殿 寺院、モスク、 巨大な岩を切り開いて造った10の窟から成り立っています。
水の供給システムは陶製パイプや排水ドレイン等が張り巡らされたユニークなものです。


■建築群

丘と平地からなる砦は、防御壁によって小さなセクターに分かれています。
この中に石塀で囲われた巨大な広場と何百もの石の柱が林立する建築群とで構成された 一角があります。
床、柱、梁、天井も全て石で組み立てられた建築は圧倒的で、 木の世界に育った人間には、理解不能な空間体験でした。
屋根を石で覆うと巨大な荷重が架かる為、それを支える梁や柱も又相当な量に上ります。
キリスト教世界やイスラム世界では、その荷重を周囲に逃しながら大きな空間を造るため ドームやアーチが考え出されましたが、ここにある建築の屋根はフラットです。
近くにあった巨大な岩山から切り出した石を、経験と感だけで組上げていったら こうなったという感じで、空間の隙間より石の量の方が多い感じがします。







■ダウラターバード砦










=MEMO=

写真1段2段目は砦の一部と砦から見たデカン高原の景色
写真3段4段目は石塀で囲われた広場と石柱が林立する建物内部




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